SEO

【GRCはエラーが続き終了?】代替手段は?Googleが検索結果画面のスクレイピング取り締まり強化

2025年1月16日~18日あたりにかけて、Googleが検索結果画面の仕様を大きく変更しました。これにより、GRCなど検索結果画面をスクレイピングすることによって検索順位を取得しているツールが軒並み使えなくなっている状況が発生しています。

どうしてそうなったのかに関する詳しい解説と、GRCのおすすめ代替手段の紹介を致します。

Gogle検索結果画面仕様変更の内容

具体的にどのような仕様変更が行われたのかについては、DEMANDSPHERE社の記事が参考になります。

今回の仕様変更は2回に渡り行われた模様です。1回目はJavaScriptを実行できないスクレイピングの遮断。2回目はウェブブラウザであっても、JavaScriptを有効にしていない場合には検索結果画面が使えないようになる変更でした。

実際、GoogleのウェブブラウザであるChromeであっても、JavaScriptを無効にしてGoogle検索画面にアクセスすると「検索を続行するには、JavaScriptを有効にしてください」という表示がされるようになっています。

Googleが検索結果画面の仕様変更をした背景

今回の仕様変更について、TechCrunch社に対してGoogleの広報担当者はメールで次の2点を理由として説明した模様です。

  • ボットやスパムなどの悪意のある活動から Google 検索を「より適切に保護」し、ユーザーの Google 検索エクスペリエンス全体を向上させる
  • JavaScript がなければ、多くの Google 検索機能が正しく動作せず、検索結果の品質が低下する傾向がある

引用:Google begins requiring JavaScript for Google Search

GRCなどの検索順位チェックツールの遮断(スクレイピングの禁止)

GRCなどの検索順位チェックツールのほとんどは、検索結果画面のソースコードをスクレイピングという技術を使って自動的に取得しています。それにより、大量のリクエストに対して検索順位などの情報を返すということをしています。

スクレイピング自体は違法行為ではありません。しかし、ウェブサイト運営側がスクレイピングを遮断することもまた違法行為ではなく、遮断しているサイトは割とあったりします。そのようなサイトの場合、利用規約の中で明確にスクレイピングを禁止する旨を示している場合もあるでしょう。

Googleは元より、Googleの利用規約の中で、Google検索結果画面のスクレイピングを禁止しています。

スクレイピングを禁止する理由としては、

  • サイトの情報を使用されることで不利益がある
  • サイトへの負荷が高まる

の2つが考えられます。
Googleは検索順位のデータについて「Custom Search JSON API」を通して有料で提供しているため、これの代替手段として用いられることによる不利益が1つ考えられます。
ただ今回のGoogleの回答ではこの点は挙げておらず、2点目の負荷の問題を挙げている形になります。スクレイピングを許容すれば、それだけアクセス数が増えるので、負荷が高まり、パフォーマンスが落ちるのです。

サーチコンソールでサイトの表示回数とクリック数を見ると、クリック数は減ってないのに1/16あたりからサイトの表示回数が減っているというのがどのサイトにおいても傾向としてあります。この減り幅くらいはボットによるアクセスがあった、ということになるのでしょう。

AIによる概要(AI Overviews)の利用促進

AIによる概要(AI Overviews)は、検索結果画面の上部にAIによる回答が表示されるというものです。略してAIOとも呼ばれています。

AIOはあらかじめキャッシュされたものが表示されることもありますが、検索結果画面が表示された後に動的に生成されるケースもあり、その場合JavaScriptがオフになっていると表示できないという問題があります。

アニメーションを施すのにJavaScriptは用いられ、ほとんどのウェブサイトではJavaScriptがオフだとまともに表示されないというのが現状です。検索順位チェックツールの遮断だけが目的なのではなく、GoogleもJavaScriptありきにこのタイミングで切替えた、というのも本音のところなのではないかと感じます。

検索順位チェックツールはどうなるのか?

日本国内で最も多く用いられているであろう検索順位チェックツールとしてGRCがありますが、GRCは現時点で10日間の間、利用できない状態が続いており、公式サイトでは
「現在のところ、解決の目途が立っておりません。」
「対応が難しい問題の可能性があります。誠に申し訳ございせん。」
と書かれている状況です。

GRC以外にも、GMO順位チェッカーなど軒並みエラーが続きました。

GRCはインストール型のソフトウェアで、起動し続けていないと毎日計測はできないということがデメリットとしてありますが、他と比べて非常に安価であることがよく用いられている理由であると考えられます。安価であるということは、低コストで機能を実現しているということになりますが、今回のGoogleの仕様変更に対応するとなると、それなりのコストをかけないと難しいかもしれません。
GMO順位チェッカーはエラーから回復し、新規受付も再開しましたが、同時に料金を改定し、一気に5倍以上の料金となりました。

GRCの代替手段

エラーから回復して計測ができるようになったツールもあるので、今後もGoogleは更なる対策を打ってくる可能性は高いです。そうなったときに、できるだけエラーが生じにくそうなツールを選べると安心です。

GRCの代替手段として、おすすめなのはBringRitera(リテラ)です。
コストをかけないなら無料で使えるGoogleサーチコンソールがありますが、Googleサーチコンソールの検索順位は正確ではないという問題があります。
Googleマップへの掲載や広告の掲載、AIOの掲載なども含まれていると考えられます。
あくまでもGoogleが保持している情報であって、実測値ではないということもズレを生んでいるのではないかと思われます。
また、自サイトの順位しか分かりませんし、あらかじめ登録したキーワードごとに推移が見られるというわけでもないので、やはりGRCなどのツールに比べると利便性はだいぶ落ちます。

BringRitera(リテラ)は、登録キーワードごとに競合サイトとの比較もしやすいですし、今回のGoogle仕様変更時も問題なく動き続けています。料金の改定も行われていません。
サイトごとの比較もグラフ上で可能で、縦軸のレンジも自由に変えられるため、変動幅を分かりやすく伝えることもできます
余った分はAIライティングや画像生成にも使える非常に便利なツールとなっています。

無料プランがあり、毎月1記事作成できるほか、キーワード計測も1キーワードまでは無料プランで計測できますので、ひとまず試してみてはいかがでしょうか?

まとめ

検索順位の推移を追うことは、SEO対策のモチベーション維持のためにも重要です。自サイトのみならず他サイトの順位も追っていくことで、順位変動時の要因の考察も可能です。
何かしらの方法で取得していくことをおすすめします。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。