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検索結果画面に表示されるメタディスクリプションとは?ムダなことしてませんか?

この記事では、SEO対策におけるメタディスクリプションの位置づけ、適切な文字数やキーワードの使い方、よくある間違いなどを詳しくご紹介します。さらに、モバイル検索における重要性や最適化ツールの活用法も紹介。メタディスクリプションが直接的なランキング要因ではない理由も明らかにしつつ、クリック率向上への影響を解説します。
この記事を読めば、効果的なメタディスクリプションの作成スキルが身につき、サイトのSEO改善に即座に活かせるでしょう。

メタディスクリプションとは?

メタディスクリプションは、HTMLのhead要素内に記述されるmeta タグの一種で、そのページの内容を簡潔に要約した内容をユーザーに示すために用います。

<meta name="description" content="ここにウェブページの要約文を記述">

検索結果ページ(SERP)でユーザーに表示される短い説明文として機能し、ウェブサイトのクリック率(CTR)に影響を与えます。適切に設定することで、検索結果での表示を改善し、ウェブサイトへのアクセス数を増やす効果が期待できます。

ただし、メタディスクリプションは記載した内容の通りに表示されず、Googleにより本文の中から抜粋されることがあります。記載した通りに表示されるようにするには、以下のことに留意が必要です。

  • ページの内容を的確に表した内容である
  • 120文字以内とする

メタディスクリプションを設置しない場合は、Googleにより本文の中から抜粋され表示されます。

メタディスクリプションの効果

メタディスクリプションは検索順位に直接影響はない

メタディスクリプションの内容が検索順位に直接影響を及ぼすと勘違いされることが多いのですが、実際には直接的な影響はありません。2009年のGoogleの記事の中に以下の記載があります。

表示するスニペットに description meta タグを使用する場合でも、Google のランキングでは description meta タグは使用されません。

検索順位に直接的な影響があるのは、titleタグの記述です。
ただし、メタディスプリプションによりCTR(クリック率)に影響があるため、それにより検索順位への影響があり得ます。つまり間接的には影響を及ぼす可能性があります。Googleは検索結果画面のクリック率は検索順位に直接関係ないと主張してきていますが、先日のGoogle資料のリークによって、Googleはユーザー行動によりそのサイトやページの評価をしている(であろう)ことが明らかになってますので、おそらくは影響します。

メタディスクリプションはSEOに良い効果があるとされる意見

メタディスクリプションが重要であると考えられている理由は以下の通りです:

  • ユーザーの興味を引き、クリックを促進する
  • ブランドの印象を向上させる
  • 競合他社との差別化を図る

メタディスクリプションを適切に設定するように変更したことで、CTRが20%向上したという報告もあります(Meta Descriptions that Matter: Writing Click-Worthy Snippets in 2024)。

メタディスクリプションはSEOにおいて重視する必要性が低いとされる意見

一方で、メタディスクリプションを削除してGoogleに自動生成させた場合に、クリック率が増加したという報告があります。具体的には、eコマースサイトが長すぎるメタディスクリプションを削除し、Googleに自動生成させたところ、CTRが4.2%増加したという結果が得られました​ (Does removing meta descriptions improve click-through rates?)​。

そもそも、メタディスクリプションの部分まで見ずにクリックするユーザも一定いるとは思われます。私はそうです。

メタディスクリプションの検索結果での表示内容

メタディスクリプションは、通常、検索結果ページのタイトルの下部に文章として表示されます。ただし、検索エンジンは必ずしもメタディスクリプションに書かれている内容をそのまま表示するとは限りません。検索クエリ(検索キーワード)に応じて、ページ内の関連性の高いテキストを抜粋して表示することもあります。

検索に用いられたキーワードがディスクリプション内にある場合、その部分が太字で示されることがあります。そうなることで関連性が高いとユーザーが感じる可能性があるので、できるだけ想定する検索キーワードがディスクリプション内に含まれるように留意することが望まれます

メタディスプリプションを指定していない場合、Googleが自動的に表示内容を決めて表示するわけですが、その場合、太字で示される部分が大抵生じます。それが、下手に指定するよりも指定しないほうがクリック率が高まる可能性が指摘される理由の1つでしょう。検索意図に合っている内容を抜粋してくれるということもあります。

メタディスクリプションのデスクトップとモバイルでの違い

デスクトップとモバイルでは、検索結果画面の仕様自体が異なりますが、モバイルの方が若干、PCよりも少なめに表示されることの方が多いです。モバイルの場合は80文字くらいを想定しておくとよいでしょう。

メタディスクリプションとリッチスニペットとの関係

メタディスクリプションは、リッチスニペットの表示にも影響を与えることがあります。リッチスニペットとは、通常の検索結果に追加情報を付加して表示する機能です。

例えば、以下のようなリッチスニペットがあります:

  • レシピのスニペット(調理時間、カロリーなど)
  • レビューのスニペット(星評価、レビュー数など)
  • イベントのスニペット(日時、場所など)

適切にマークアップされたメタディスクリプションは、これらのリッチスニペットの表示確率を高める可能性があると言われています

メタディスクリプション設定時の留意点

メタディスクリプションを設定する際は、以下の点に留意しましょう。

  • 各ページに固有の説明文を作成する
  • キーワードを自然に含める
  • ユーザーの行動を促す言葉を入れる
  • 文字数制限を守る(通常80〜120文字程度)
  • ページの内容と一致させる

適切に設定されたメタディスクリプションは、ユーザーとの最初の接点となり、ウェブサイトの印象を左右します

メタディスクリプションは何文字がいい?

Googleの検索結果画面はしょっちゅう仕様が変わり、メタディスプリプション部分に表示される文字数も変わります。また、モバイルとデスクトップでも異なりますが、80~120文字の範囲を目安に考えるようにしましょう。どうしても含みたい内容は最後の方にしない、ということ以上には、あまり厳密に考える必要はないと考えます。

メタディスクリプションにおけるキーワードの適切な使用

メタディスクリプションには、ページ内容に関連する重要なキーワードを含めることが重要です。ただし、以下の点に注意が必要です:

メタディスクリプションでユーザーを引き付ける魅力的な文章

メタディスクリプションは、ユーザーに対する「広告文」としての役割も果たします。以下の点を意識して、魅力的な文章を作成しましょう:

明確な価値提案

ユーザーがページを訪問することで得られるメリットを明確に伝えます。例えば、「初心者向けのステップバイステップガイド」や「業界専門家による最新情報」などの表現を用いることで、ページの価値を強調できます。

アクションを促す言葉使い

「今すぐチェック」「詳細はこちら」など、ユーザーに行動を促す表現を使用することで、クリック率の向上が期待できます。ただし、過度に誇張した表現や誤解を招く文言は避けるべきです。

ユニークな特徴の強調

競合他社と差別化できる要素があれば、それをメタディスクリプションに盛り込みます。例えば、「業界唯一の○○機能搭載」「10年以上の実績に基づく解説」などの表現が効果的です。

数字やデータの活用

具体的な数字やデータを含めることで、信頼性や説得力が増します。「90%以上の顧客満足度」「1000件以上の成功事例」など、実績を示す数値を活用しましょう。

ページごとのユニークな説明をメタディスクリプションで

各ページに固有のメタディスクリプションを作成することが重要です。同じ内容のメタディスクリプションを複数のページで使い回すと、検索エンジンがどのページを表示すべきか判断できず、SEOに悪影響を与える可能性があります。

Ahrefsの調査によると、ユニークなメタディスクリプションを持つページは、検索結果でのクリック率が平均して15%以上高くなる傾向があります。

メタディスクリプションで感情に訴える表現の活用

ユーザーの感情に訴えかける表現を用いることで、クリック率を向上させることができます。以下のような感情を刺激する言葉を適切に使用しましょう:

  • 驚き:「意外な真実」「知られざる秘密」
  • 好奇心:「あなたは知っていますか?」「なぜ○○なのか」
  • 緊急性:「限定offer」「今日だけの特別価格」
  • 共感:「あなたも同じ悩みを抱えていませんか?」

ただし、過度に感情的な表現やクリックベイト的な文言は避け、ページ内容と一致した誠実な説明を心がけることが大切です

メタディスクリプションの違いによるA/Bテストの実施

効果的なメタディスクリプションを作成するには、継続的な改善が望まれます。A/Bテストを実施することで、どのような表現や構成が最も高いクリック率を生み出すかを把握できます。以下の手順でA/Bテストを行います。

  1. 異なる表現や構成のメタディスクリプションを2パターン用意する
  2. 一定期間(例:2週間)ごとにメタディスクリプションを切り替える
  3. Google Search ConsoleやGoogle Analyticsでクリック率を比較する
  4. 結果を分析し、より効果的なメタディスクリプションを採用する

A/Bテストを通じて得られたデータに基づいて最適化を行うことで、長期的なSEOパフォーマンスの向上が期待できます

業界や目的に応じたメタディスクリプションのカスタマイズ

効果的なメタディスクリプションは、業界や目的によって異なる場合があります。以下に、いくつかの例を示します:

Eコマースサイトの場合

商品の特徴や価格、セール情報などを含めることが効果的です。例:「最新のスマートウォッチ【30%OFF】防水・心拍数測定機能搭載。送料無料&30日間返品保証つき」

ニュースサイトの場合

記事の要点や最新情報であることを強調します。例:「速報:○○社が新製品を発表。AI搭載で業界に革命をもたらす可能性。詳細レポートと専門家の見解を掲載」

サービス業の場合

サービスの特徴や顧客のメリットを明確に伝えます。例:「24時間対応の緊急水道修理サービス。東京23区内30分以内到着保証。見積もり無料・低価格で安心」

Backlinkoの調査によると、業界や目的に応じてカスタマイズされたメタディスクリプションは、一般的な説明文に比べて最大50%のクリック率向上につながる可能性があります。

メタディスクリプションのユーザーエクスペリエンスへの影響

メタディスクリプションは、ユーザーエクスペリエンス(UX)にも大きな影響を与えます。適切なメタディスクリプションは、以下のような効果をもたらします:

  • ユーザーの期待値を適切に設定
  • ページの内容を正確に予測させる
  • 不要なクリックを減らし、バウンス率を低下

メタディスクリプションの最適化ツール

BringRitera(リテラ)

SEOに強いAIライティングツール「BringRitera(リテラ)」は、記事生成時に適切なメタディスクリプションを自動生成する機能も持ちます。

WordPressのプラグイン「SIMPLE SEO PACK」

WordPressのプラグインには、コンテンツの中から特定の個所を自動的にメタディスプリプションに設定する機能を持つものが多くあります。SIMPLE SEO PACKもその1つで、必要以上の機能を持たずその名の通りシンプルで、軽いのでおすすめです。以下の通りの指定が可能です。

まとめ

メタディスクリプションは、ウェブページの内容を簡潔に説明する重要な要素です。直接的なSEOランキング要因ではありませんが、クリック率に影響を与えるため、適切に最適化することが重要です。効果的なメタディスクリプションを作成するには、適切な文字数を守り、キーワードを適切に使用し、ユーザーを引き付ける魅力的な文章を心がけましょう。
また、重複や過度なキーワードの詰め込み、ページ内容との不一致といった間違いを避けることが大切です。BringRitera(リテラ)を利用すれば、自動的に適切なメタディスプリプションまで生成されます。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。