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AIOとは?これからのSEOはAIへの最適化を考えるAIO対策?

AIOは「AI最適化」の意味です。SEOは以前は小手先のテクニックが物を言う世界でしたが、Googleの進化によってユーザーにとって有用なコンテンツを上位に表示させる精度が高くなってきました。

その意味で、SEOはこれまでも大きく変化してきましたが、生成AIの台頭によって、大きな変曲点が生まれようとしています。

AIによってSEOがどう変わるのか、何をすべきなのか。考えてみたいと思います。

AIOとは?

AIOは「Artificial Intelligence Optimization」または「AI Overview Optimization」を指してそう呼ばれることになりそうな略称です。つまり「AI最適化」または「AI Overview最適化」の意味です。
今後「AI Overview」がGoogleの検索結果画面に表示されることが決まっており、いかにそこに参照元として選ばれるかがSEOにおいて重要になります。

AI Overviewとは?

「AI Overview」はGoogleの検索結果画面の上部に表示されるGoogleのAIによる概要説明のことです。2023年5月11日にGoogleから初めて発表され、2024年5月15日に米国では正式スタートしています。
日本では2023年8月30日に試験が開始され、2024年内に正式スタートする予定です。

2024年8月時点で日本の試験環境で表示された例が次の画像です。「AIの歴史は?」と検索するとAIによって作られた文章が示され、そこに参照元リンクが付されます。その参照元が画面右側に表示されます。なお、この時点では「AI 歴史」だと表示されませんでした。また、以前に比べてAI Overviewが表示されるケースがかなり少なくなっており、そのあたりも今後どうなるかはまだ分かりません。

「AIの歴史は?」という検索に対して表示されたAI Overviewの例。


これまでの経緯など詳しくは次の記事に書いています。

GoogleのAI Overview(旧SGE)とは?

Googleによるドキュメントが次のリンクです。

AIによる概要とウェブサイト

その他のAI活用検索エンジン

AIを活用する検索エンジンはGoogleだけではありません。以下にGoogleのライバルになり得る2つをご紹介します。

Perplexity

PerplexityはAI搭載の検索エンジンで、最も早くその形で世界的に浸透している検索エンジンと言えます。有料版ではGPT-4oとClaudeなど、用いるAIを選択可能です。GoogleはGeminiと決まってますので、そこが違いとして大きくあります。

SearchGPT

SearchGPTはChatGPTを開発するOpenAI社が2024年7月に発表したChatGPT搭載の検索エンジンです。まだ現時点では一般利用はできません。

AI OverviewのSEOへの影響

AIOという意味ではAI OverviewだけではなくPerplexityやSearchGPTの動向も気にしておく必要があるのでご紹介しましたが、Googleは生成AIにおいて遅れを取っていたものの、現時点ですでにGemini 1.5 ProはGPT-4oより優れている側面もあります。検索エンジンとしてOpenAIがGoogleに勝てるかというと、なかなか難しいようにも思うので、当面はAI Overviewを最も意識しておくべきところになると考えています。

AI Overview正式リリース後、おそらく直感的にみなさん思う通り、サイトへの流入は減る方向に動くと考えられています。私もそう思います。ただGoogleによれば、AI Overviewの参照元をたどってサイトに訪れたケースは、滞在時間が伸びるそうです。

参考:
New ways to connect to the web with AI Overviews(Google)
Google AI Overviews gains new citations and links, plus more(Search Engine Land)

つまり、これからはAI Overviewの参照元に選ばれることの重要性が生まれます。

AI Overviewの参照元となるには?

以前私が調査した際は、AI Overviewの参照元と通常の検索結果の上位は異なる傾向が示されました。通常の検索結果の上位よりも、AI Overviewの参照元にはドメインパワーが求められるというものです。より信頼性が確かな先をGoogleが選ぼうとしているのではないか、という推測があります。

しかし2024年8月時点では、通常の検索結果上位とAI Overviewの参照元がほとんど同じになっています。そもそも、当時に比べて通常の検索結果の上位にドメインパワーが求められるようになっているというのもあります。また、通常の検索エンジンアルゴリズムにおいても、BERTなどのAIが使われているわけなので、そもそも通常の検索結果の上位とAI Overviewの参照元が異なるということがおかしかったのかもしれません。

まだ試験中であり、GoogleはGoogle広告の収入を減らさないようにする、という観点に重きを置いて様々なパラメーターを変更させながらテストをしているはずです。

年内に国内で本番運用が始まったら、また検証をしてここでご報告したいと考えています。

当社は早い段階からSEOへのAI活用を考え、SEOに強いAIライティングツールBringRitera(リテラ)を運用しています。AI Overviewへの適応もいち早く取り組むことを考えています。

検索順位チェックツールも、AI Overviewに参照元として選ばれたかどうかまで含めて示す必要性が出てきます。検索順位チェック機能までついているBringRitera(リテラ)は、そこまで視野にすでに入っています。

AI Overviewへの最適化を考えるべきか?

現時点で、AI Overviewの表示頻度が小さくなっているので、そもそもターゲットキーワードがAI Overviewが示す類のものか、というところの見定めがまず必要になるでしょう。

Knowクエリ(~を知りたい)の場合には現時点でも多く表示される傾向がありますが、Buyクエリ(~を買いたい)やGoクエリ(~に行きたい)で表示されるかどうかによってもAIOの重要性は変わってくるでしょう。以前はBuyクエリでも表示されてましたが、通常の検索結果と表示される内容があまり変わらないな、というのはあったので、それでなくなる可能性もあるかもしれませんね。

AI Overviewの参照元から流入した場合のコンバージョン率が高まるのであれば、通常の検索結果の上位を獲得するよりも効果が高まることにはなります。

まとめ

AI Overviewに限らず、SNSやYoutubeなど様々な媒体がWebには生まれ続けますので、ウェブマーケティングも多様化しています。

AIO含め、どの方法が最適かを見定める上流工程、SEOやAIOの前にマーケティング最適化が益々重要になっていくと思われます。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。