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SEOの評価軸の1つ「E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)」とは?高める方法も紹介

GoogleはE-E-A-Tという略語を用いるくらいに、ホームページ所有者/執筆者の信頼性を評価しており、近年その傾向が強まっています。2022年12月5日に行われたヘルプフルコンテンツアップデートもこのコンセプトが反映されていると考えられます。

では、何を見て判断しているのでしょうか?

ブラックボックスである部分が多いところですが、考えられるものを挙げてみたいと思います。

E-E-A-Tとは

Googleが示す「検索品質評価ガイドライン」の中に「E-E-A-T」と呼んでいるものがあります。読み方は、Eが2回続くので「ダブルEAT」という風に呼ばれてもいます。

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

の4つを指した言葉です。以前はE-A-Tでしたが、2022年12月15日に更新された検索品質評価ガイドラインで経験の「E」が加わりました。これについてGoogleは次のように説明しています。

実際に製品を使用している、実際にその場所を訪問している、誰かが経験したことを伝えているなど、コンテンツにある程度の経験が織り込まれているかどうかも評価されます。状況によっては、そのトピックに関連して実体験をもつ人が作成したコンテンツが最も高く評価される場合もあります。

Google検索セントラル

加えられたE(経験)のみならず、E-E-A-Tを重視する姿勢をGoogleは強めています。2022年8月18日に発表したアルゴリズムアップデートでもこの点強調していました。英語圏だけで先行して実施されていたそのアップデートは2022年12月15日に全領域において開始しています。

この図はGoogle品質検査ガイドラインの中で示されているものです。E-E-A-Tはそれぞれ重なり合うものであり、信頼のある記事を上位に表示すべきという考え方に基づいた評価指標です。

信頼性(Trustworthiness)

まず最初に、E-E-A-Tの中の最後のTであるTrustworthness(=信頼性)について。要は、信頼できる内容であるかをGoogleは評価しています。

例えばの話ですが、「頭が良くなる方法」という記事があったとして、それは多くの人が興味があると思いますが、信頼できるかどうかは全く別の話ですよね?世界のプラットフォームとなっているGoogleのサービスが、そのような信頼できない記事を上位に表示するべきではないですよね?

信頼性がE-E-A-Tの中で最も重要だとGoogleは述べています。一見、経験、専門性、権威性を有している人が書いているように見せておきながら、実際はそうではない記事もあるということにGoogleは触れています。そのことも踏まえて評価していると考えた方が良いです。

経験(Experience)

経験のある人がより信頼できるという考え方の指標です。例として、製品レビューを書いた記事において、その製品を実際に所有し、使っている人の記事の方が、そうではない人の記事よりも信頼できるということをGoogleは述べています。

SEOに関わって1か月の人と、10年の人、どちらをSEOコンサルタントとして信頼しますか?というような話ですね。ただよく言うように、経験だけがものを言うわけでもありません。

専門性(Expertise)

そのページを書いた人のそのテーマに対する専門性です。どのくらいそのテーマに対するスキルないしは知識を有しているかが見られています。

権威性(Authoritativeness)

そのページを書いた人のそのテーマに対する権威性です。つまり、どのくらい外部から評価されているかということです。それもまた、信頼性を評価できる一つの指標です。

E-E-A-Tが重要視される背景と課題

E-E-A-Tは、ここ近年で重視傾向が強まっています。

有名なのは、2017年12月に日本国内向けにだけまず実施された医療・健康アップデートと呼ばれるGoogleアルゴリズムのアップデート。これにより、多くの医療・健康関連の記事が上位から圏外へと消えたと言われています。

日本が最初となった背景にはWELQというサイトが、医療・健康関連で間違った情報を多々掲載し、上位に表示されてしまっていたからだと言われていますが、その後2018年8月には全世界で類似のアップデートが行われたと見られています。

背景として、アフィリエイトもあると思います。ページに広告を張って、クリックされるか、そこから購入にまで至ると収入が得られるというものです。医療・健康関連は気にする人が多いので検索数が多く、かつそこから何かしらの商品を購入しようという意欲に繋がりやすいので、アフィリエイトのネタにされやすいというのもあります。

他にアフィリエイトのネタになりやすいものとして、商品レビューの記事があります。記事を見て、良いものだと思えばそのまま購入、という流れに至りやすいですからね。

2022年12月に「経験」が加わった背景にはそこもあると考えられます。先述した通り、実際に所有してもないのに書かれたような記事は信頼性が低い、ということに実際にGoogleは言及しています。

E-E-A-Tが重視された結果、上位から転落した記事の中には、実際に有益な記事もあったと考えられます。例えば、医療関連は論文が上位に表示されるようになりましたが、それが本当に検索意図に合っているのか?検索した人が見たいものなのか?は議論される部分です。

Googleはこのようなことまで考えて理想を追い求めているはずです。

対してコンテンツ制作者は、E-E-A-Tのことも踏まえ、どうすれば上位に表示されるサイトになるか、こういった背景まで考えていくことが望まれます。

信頼性を高める方法に関する考察

サイトのコンテンツ

サイトのテーマを絞る

ここでいう「サイト」というのはドメインの単位です。例えば次はそれぞれ別のサイトということです。

  • https://example.com/
  • https://www.example.com/
  • https://xxx.example.com/

ひとつのサイトで複数のテーマを扱うと、評価が分散します。このことはE-E-A-Tとは若干それる感もありますが、Googleはそのサイト所有者の専門性を評価しているからこそ、そうなると言われています。

例えば私はSEOのコンサルタントであり、アクセシビリティの専門家であり、品質の高いホームページ制作を行うことができて、デザインもお客様からよく褒めていただきますが、当サイトはSEOで評価されてます。「ホームページ制作はよ!」ってGoogleに対して心で叫んでますが、届きません。

ただ「SEO」の評価が高いので、「SEO×〇〇」だと上位に上がりやすいです。例えば「アクセシビリティ SEO」で最高1位です。

いずれbring-flower.comのサブドメインを作ってSEOとホームページ制作でサイトを分けることを考えているくらいです。そろそろ実験的に試してみようかな・・。

サイトの所有者/組織を明示する

ホームページの所有者/運営者、その組織がどこであるかを分かりやすい形で明示します。
以下に挙げるような情報はできる限り、正確に明示しておいた方が良いです。

所在地とサイトのタイトルの内容が異なるような場合、Googleはそこまで把握して評価している可能性が極めて高いことを独自に確認しています。

  • 事業者名について、「株式会社」なども正確に記載
  • 所在地について記載し、枝番の記載方法などはサイト内外でできる限り揃える
  • 電話番号などの連絡先の明示

記事の執筆者を明示する

記事ページに、その記事をだれが書いたかを明示します。
以下に挙げるような情報はできる限り、詳しくかつ簡潔に明示しておいた方が良いです。

  • 氏名、知れ渡っている名前など、海外でも評価されているならばアルファベットも併記するなどの考慮が望ましい
  • 肩書
  • 経歴

資格、表彰、著書など信頼性が分かるものを明示する

上記と重複しますが、資格、表彰歴、著書などはできる限り明示しましょう。自慢しまくる感じが良いと思います。もちろん、有名な資格ほど評価される可能性は高いとは思いますが、その資格をGoogleがどこまで把握しているかなど考えている暇があれば、とにかく記載します。

プライバシーポリシーを明示する

プライバシーポリシーは、問い合わせフォームなど個人情報を受け取る形になっている場合に、その個人情報をどう扱うかを明示するものです。個人情報保護法をきちんと守った内容で、明示していることに意味があるのではと言われています。

サイトポリシーを明示する

サイトポリシーは、例えばサイトに対してリンクを張ることや、内容を引用することに関しての許諾、著作権、内容についての保証などについて書くページです。当サイトも書いていますが、しっかりしたサイトは書かれていますので、このあたりも書いている方がベターである可能性があると言えます。

信頼できる内容、サイトを引用しリンクを張る

記載内容について、できればデータなど詳細なものが分かる内容、信頼できるサイトを引用し、そこへのリンクまで張っておくと良いです。

ベースの作りの対策

適切なマークアップを使う

上述のような内容の明示方法として、例えば電話番号はaddress要素を使うなどウェブには標準仕様と呼ばれる仕様が存在しますので、それに基づいてコーディングをすることで、正確にGoogleに情報が伝わります。BringFlowerはまずこの部分が圧倒的で、Googleの評価ツールLighthouseで3項目オール100点という同業者も驚く点数をはじき出しています。それにより圧倒的なSEOの実績に繋がっていると考えています。

構造化マークアップを使用する

ページに表示されるのではなく、検索結果画面に表示されることがあるものとして、構造化マークアップと呼ばれるものがあります。これも、資格や会社情報など色々と記載できるものがありますので、やっておくに越したことはありません。

外部対策

外部対策というのは、サイト自体での対策ではなく、外部のサイトなどからどう評価されているかをGoogleは見ていますので、そのような部分の話となります。

指名検索を増やす

指名検索というのは、事業者名、氏名などの検索キーワードで検索されるケースのことを指します。そのような検索が多いということは、その事業者、その人を見たいと思っている人が多いということなので、その人の信頼性の評価の指針の一つになっていると言われています。

SNSなど運営しているとSEO対策になると言われているのは、このようなことに繋がるからだと考えています。SNSに情報を掲載していること自体が直接的にSEO対策に繋がるというわけではありません。

信頼できるサイトからリンクが張られる(自作自演はNG)

信頼できるサイトからリンクが張られ、良い評価がされていれば、評価が高まります。

サイト、SNSなどで言及される

リンクが張られるまでいかなくとも、良い評価で言及されていれば、それもGoogleは見て評価している可能性が高いです。

まとめ

E-E-A-Tは、信頼できるサイトであれば、自然と高く評価されるようになっているものでもありますが、意識している場合とそうでない場合とで差が生じるということもこの記事でお分かりになるかと思います。

この話をすると、「私には権威性などない」と嘆く方がいますが、権威性だけを見ているわけではないので、それに代わる信頼を得るだけの品質を考えれば大丈夫です。上位獲得が難しいわけではありません。

信頼性のある記事を書くことよりも、アフィリエイトで稼ぐことを目的とした記事が多いということがGoogleのコンセプトの背景の一つにはありますので、そういった記事でなければ、それだけで一定の信頼性は得られると考えます。

また、信頼性、権威性などはどのようなことにおいてもそうですが、コツコツと行っていくことで着実に積みあがっていくものです。

記事をしっかり書きあげていくということ自体が、経験でもあり、自身の専門性をより磨きあげ、権威性を高めることに繋がります。私にも、私のブログを見ていただいた方からの問い合わせが一定あります。それにより外部講師も務めていますし、自然と被リンクも張られています。

ぜひ一緒に信頼性、権威性を高めていきましょう。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。