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SEOにおけるキーワード難易度とは?難易度の低いキーワードを調べて上位表示を狙う方法

SEOにおいて、キーワード選定が非常に重要です。

立ち上げたばかりのウェブサイトや、まだ育てられてないウェブサイトの場合、最初から難易度の高いキーワードを狙っても上位には表示されません。上位に表示されるページが少なければ、閲覧者が増えないのでサイトは育ちません。
最初は、難易度が低く、かつ自サイトにとって狙う意味のあるキーワードを探すということが大切です。

この記事では、難易度の低いキーワードとはどのようなものか、どのようにして見つけられるのかについて解説致します。

SEOにおけるキーワード難易度とは?

キーワード難易度とは、SEOにおいて特定のキーワードの検索順位を上げることの難しさを示す指標です。多くのSEOツールでは、キーワード難易度を定量的に示してくれます。

ただ、明確にキーワード難易度の測り方が決まっているわけではなく、各ツール独自の計算方法を使って測っています。次の画像はahrefsが示すキーワード難易度の説明文です。100点満点で点数が高いほど難しいというものになってます。

ahrefsが示す最も難易度が難しいキーワードの一つの例として、他社の商標などがあります。商標で検索したときには、その商標を所有する事業者のサイトが上位に表示されるようになっていますので、難易度が高いと判断しているのだと思われます。

ahrefsは使い勝手、価格的にも素晴らしいツールだと思っていますし、私は使っています。そのことはお伝えしたうえで率直に言うと、ahrefsに限らず、キーワード難易度はどのツールにおいてもあまり私にはしっくりこないので、気にして見ていません。

とはいえキーワード難易度を探ったうえでキーワード選定を行うというのは大切なわけですが、私がどうやって探っているかというと、数値化などということはしていません。後述するステップを踏んで掴んでいます。

間違ったキーワード難易度の判断方法

まず、誤解されがちな間違ったキーワード難易度の判断方法についてご紹介します。

検索ボリュームとキーワード難易度は因果関係はない

検索ボリュームが多いキーワードは、狙おうとする事業者が多くなりやすいので、結果的にキーワード難易度が高いケースが多いということはありますが、検索ボリュームが多いと難易度が高いという関係にあるわけではありません。

むしろ、キーワード難易度が低いけど検索ボリュームが多いキーワードを探すのが重要です。

検索結果数とキーワード難易度は因果関係はない

Google検索では、次の方法でタイトルにキーワードが含まれているページの数を調べる方法があります。

検索演算子使用例使用結果
intitleintitle:SEO対策 ホームページ制作キーワードがtitleに最低一つ含まれているページが表示される
allintitleallintitle:SEO対策 ホームページ制作キーワードがtitleに全て含まれているページが表示される

これで出てくる数が少ないキーワードを探す、という方法が紹介されることが多いです。

このやり方は現在では特に意義が小さいと言えます。Googleは以前とは違い、検索意図が似たものについては検索キーワードがコンテンツに含まれていなくても検索結果に表示させるからです。

この方法よりは、検索したときに出てくる検索結果数を単純に見るという方法の方が現在においては、まだ意味があると言えるでしょう。

ただ、その数というのは、そのキーワードを狙っているサイトが多いということを示していますが、重要なのは、表示されるページの中で競合になり得るページがどれだけあるかです。

いずれにせよ、競合の多さというのはそれほど気にすることではありません。重要なのは競合の多さではなく、競合の強さです。

キーワード難易度の調べ方

それでは、キーワード難易度の調べ方をご紹介します。

上位表示されている競合ページの強さ

狙いたいキーワードで検索したときに上位に表示されているページの強さを見ます。上位10位以内に入らないと意味があまりないので、上位10位のページを見ることが推奨です。

どのようにして強さを測るかは後述します。

YMYL分野であるかどうか

YMYL(Your Money Your Life)とGoogleが呼んでいる領域があります。誤った情報により人生への影響が出るような分野のことであり、例えば医療関連、金融関連、不動産関連などです。YMYLの領域で上位を獲得するには、その領域において事業を行っても良い、れっきとした事業者であることや、その記事を書く人が、その記事を書くに値する資格を有しているかなどをGoogleは見ています。

SEOへの参入障壁が高いため、その領域におけるれっきとした事業者であり、かつ専門家が記事を書く予定であれば、むしろチャンスとも言えます。

詳しくは次の記事で解説しています。

YMYLのジャンルにおけるSEOの考え方と6つのポイント

競合ページの強さの測り方

ここまでで、上位に表示されている競合ページの強さでキーワード難易度を測れば良いということがご理解いただけたでしょうか?

それでは、どのようにして競合ページの強さを測ればよいのか、解説致します。

ドメインパワーの大きさ

Googleは、ドメインパワーが大きくないと上位に表示させないキーワードというのを設けています。

例えばSEO関連であれば、次のようになっています。

検索キーワード例キーワード難易度
SEO/SEO対策/SEOとはドメインパワーが大きいサイトしか上位に表示されないため、当サイトは2023年8月時点では上位に表示されない
ChatGPT SEO対策当サイトが2023年8月時点で1位

ドメインパワーの大きさは、ahrefsパワーランクチェックツールなどで無料で調べることができます。
当サイトは2023年8月時点で、ahrefsによる計測値で27。

これでもサイトがインデックスされてから1年と少しという短い期間だけで、だいぶ大きくなっている方だと思いますが、「SEO」で上位10位のサイトのドメインパワーをahrefsで調べると次のようになっています。

1位:64、2位:59、3位:87、4位:71、5位:59、6位:16、7位:59、8位:61、9位:59、10位:42

今調べてみて、6位に16しかドメインパワーがないサイトが表示されていることに驚きましたが、基本的にはドメインパワーが高いサイトがひしめいています。

一方で、「ChatGPT SEO対策」は当サイトが1位なのを始めとして、次のように「SEO」に比べればドメインパワーが小さいサイトでも上位に表示されていることがわかります。4位のサイトに至っては1.3しかありません。

1位:27、2位:50、3位:63、4位:1.3、5位:34、6位:27、7位:26、8位:87、9位:63、10位:41

どうしてかというと、「SEO」という検索キーワードに対して上位に表示するページには、権威性が必要であるとGoogleが判断しているのだと思われます。

ただ、このように、ドメインパワーを実際に測るのはそれなりに手間です。10位以内を目視するだけで、大体感じ取れますので、そのようにするのが現実的なところだと思います。

例えば転職業界のニッチなところを狙おうとしたときに、そのキーワードで検索して上位がリクルートやDoDAなどの有名企業しか表示されないようであれば、難しいという判断ができますし、聞いたことがないような組織の書いた記事が上位に表示されていれば、狙えると判断できます。

良質な被リンクの数

ドメインパワーの評価指標の一つとして含まれので、少しドメインパワーと被るのですが、良質な被リンクの数の多さをGoogleは見てます。以前に比べて重要性は下がってますが、こちらも参考指標となります。

上記の「SEO」で6位のドメインパワーが16のサイトは、被リンクの数が354と多く存在しました。

なお、自作自演のリンクはGoogleの規約違反であり、ペナルティを受けるリスクもあります。Googleが見破る精度は相当高まっていますが、それでも実施提案をする企業が無くなりません。お気を付けください。

コンテンツの質

ドメインパワーや被リンクの数で勝てなくても、上位に表示されているコンテンツの質よりも高い質の記事を書ければ、上位に表示される可能性はあります。逆に言えば、ドメインのパワーでもコンテンツの質でも負けていれば、上位に表示されることはありません。

上位に表示されているコンテンツの質を見るようにしましょう。

キーワード選定のポイント

ご紹介した方法で、より上位に表示させられそうな難易度の低いキーワードを探し、かつ検索ボリュームが多く、コンバージョンに繋がりそうなものを見つけます。

キーワード選定のポイントについて、詳しくは次の記事にまとめています。

SEO、ブログにおけるターゲットキーワード選定の方法・ステップ

また、検索ボリュームの調べ方については、詳しくは次の記事にまとめています。

ロングテールキーワードとは?探し方を知って効果的なSEO対策を

難易度が高いキーワードの狙い方

それでは、難易度が高いキーワードは避け続けるべきなのかというと、長期的視座に立てばそういうことではありません。

一方で、長期的視座に立った場合でも、まずは難易度の低いキーワードから狙っていくべきでもあります。

難易度が低いページで上位に表示されることで、サイトへの流入数が増えますので、そうするとサイト全体の評価が上がり、ドメインパワーが増していきます。

難易度が高いキーワードの場合は、そのテーマに対するサイト全体での網羅性も見られていると考えられます。例えば「SEO」であれば、SEOに関連する記事が多く存在していた方が有利ということです。

関連記事として以下をご参照ください。

ロングテールキーワードとは?探し方を知って効果的なSEO対策を

ビッグキーワードで上位も狙えるサイト内リンク構造「トピッククラスター」

まとめ

サイトを立ち上げたら、将来的にはビッグワードで上位を獲得することを目指しつつ、まずは難易度の低い狙い目のキーワードを見つけて、そういったキーワードで上位を獲得してサイトを育てていきましょう。

BringFlowerは、そのような戦略をサポート致しますので、ぜひご相談ください。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。