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多言語サイトのSEOポイント7個 - hreflang属性を適切に使用するなど –

日本語と英語で切り替えられるようにしているといった多言語サイトの場合、URL構造、hreflang属性、利用サーバーなど、多言語サイト特有のテクニカルなSEO対策があります。

この記事では、多言語サイトを制作しようとしている方、あるいは運用している方向けに、多言語サイトのSEO対策方法についてご紹介します。

多言語サイトのSEO

日本語と英語など、多言語サイトのSEOにおいては、各国の利用者に適切にサイトを表示し、それぞれに検索順位を向上させることを考える必要があります。

検索エンジン側のこともあります。日本のGoogleと、米国のGoogleは次のようにURLが違います。

日本のGoogle:
https://www.google.com/?hl=ja
米国のGoogle:
https://www.google.com/webhp?gl=us&hl=en

そして、日本のGoogleで「BringFlower」と検索した時と、米国のGoogleで「BringFlower」と検索した時では検索順位や表示のされ方が異なります。

日本のGoogleの検索結果
米国のGoogleの検索結果

日本では1位ですが、米国では現時点で6位でした。何故かほとんど運用していないBringFlowerのYouTubeの方が5位に表示されました。

当然ですが、日本語のページしかなければ、このように米国のGoogleでも日本語で表示されます。
重要なこととして、英語のページを持っていたとしても、適切な構造にしていないと、米国のGoogleにおいて日本語のページが検索結果に表示されてしまうことがある、ということを知っておきましょう。

多言語でページを用意する意義と多言語SEOの重要性

そもそも、現在においてchromeなどのウェブブラウザは、翻訳機能を設けていますので、そのサイトにたどり着いたユーザーは、翻訳機能を使ってある程度読み取ることができます。

SEOのことを考えないのであれば、それに任せてしまうという考え方もあります。

ただし、その場合、翻訳された文章自体はインデックスされるわけではありませんので、検索対象にならないということを理解しておく必要があります。

つまり、多言語でページを作らない限り、検索対象にならないので、多言語SEOを考えるならば、多言語でのウェブページの作成が必要となります。

グローバルなビジネスを展開する企業においては、日本語での検索だけ考えればよいわけではありません。例えば英語圏と中国でビジネスを展開していれば、日本語で検索した時だけではなく、英語で検索した時、中国語で検索した時、それぞれで上位に表示されることと、表示されたページが利用者にとって分かりやすく、見やすいページであることが大切になります。

SEOを踏まえた多言語サイトの設計ポイント7個

SEOのことを考慮して多言語サイトを設計する際のポイントは主に以下の4つです。

なお、2022年9月までは、Googleサーチコンソールで地域ターゲティングという設定を行うことができましたが、現在は廃止されています。そのように指定せずとも、Googleが理解できるようになったというのが理由のようですので、現在は地域ターゲティングは気にしなくても大丈夫です。

  • URLの構造設計
  • 言語ごとにその地域のサーバーを利用する
  • hreflang属性の設定
  • lang属性の設定
  • 内容の翻訳とローカライゼーション
  • 地域ごとの検索エンジンを踏まえたSEO対策
  • 地域別のキーワード選定

多言語サイトSEOにおけるURLの構造設計

多言語サイトのURL構造は「独自ドメインで分ける」「サブドメインで分ける」「ディレクトリで分ける」の3つ選択肢があります。

3種類のドメイン分け方

独自ドメインを分ける

ソニーや任天堂など、日本のグローバル企業の売り上げ上位を調べるとほとんどこの形になってるようです。「co.jp」「.com」「.net」の違いです。

ソニー

日本サイト:https://www.sony.co.jp/

グローバルサイト:https://www.sony.net/

任天堂

日本サイト:https://www.nintendo.co.jp/

グローバルサイト:https://www.nintendo.com/

サブドメインで分ける

これは事例はすぐに見つけられませんでしたが、次のようなことです。

日本サイト:https://jp.example.com/

英語サイト:https://en.example.com/

ディレクトリで分ける

ユニクロのファーストリテイリングはこの形になってます。

日本サイト:https://www.fastretailing.com/(※)

英語サイト:https://www.fastretailing.com/eng/

※日本語サイトは、分かりやすくするためにhttps://www.fastretailing.com/jp/にリダイレクトさせている模様

3種類のドメイン使い分け方

上記の3種類の設け方のメリット、デメリットを鑑みると、以下のように判断すればよいと思います。

独自ドメインで分けると良いケース

ドメインが分かれるということは、WordPressを用いる場合、管理画面が分かれます。そのため、両方のサイトを同じ人が編集する場合はかなり手間に感じると思いますが、逆に管理者が別の人であれば、分かれていた方が間違って他のサイトを編集してしまう、というリスクがなくて済みます。

また、それほどサイトの内容、テーマが異なるわけではなければ、ドメインは同じである方がユーザーにとって意味あるページ数も増えてSEO的に有利ですが、内容、テーマが異なるのに同じドメインだと、逆に不利になります。以上から、以下のような場合は独自ドメインで分けるとよいでしょう。

  • 日本サイトと他の言語のサイトで、管理者が異なる場合
  • 日本サイトと他の言語サイトで、テーマが異なる場合

サブドメインで分けると良いケース

サブドメインで分けた場合も、WordPressの管理画面は分かれます。そして、サイトの内容、テーマが似ている場合に独自ドメインで分けるデメリットもあるように上記で述べましたが、とはいえ、テーマが同じでも言語が異なる場合に、Googleがどう見るかはかなり難しいところだと言えます。

ただ、独自ドメインを分けると、ドメインの管理が複雑になり費用は増します。また、サブドメインであっても、分かれていれば同じ事業主でありながら別のサイトだということがGoogleに伝わりますので、その意味で、サブドメインというのは非常に便利なものです。サブドメインで分けるという選択肢もあり得るものだとは考えます。

ディレクトリで分けると良いケース

日本語サイトも他の言語のサイトも、編集する人が同じで管理画面が分かれてほしくない場合は、サブドメインで分けるのが良いです。上述のような大企業でない場合、つまり英語サイトを持つほとんどの日本企業はこの選択肢を取っていると思われます。

避けるべきURL構造

次のようにパラメーターで分けるのは非推奨です。

https://www.example.com?lan=jp

https://www.example.com?lan=en

次のようにファイル名で分けるのも非推奨です。

https://www.example.com/index.html

https://www.example.com/index-en.html

言語ごとにその地域のサーバーを利用する

サーバーの場所は、言語ごとにその地域のサーバーを利用することが推奨です。

サイト閲覧者とサーバーの距離は、アクセス速度に影響があるからです。サイトの表示速度はSEOにも直接的な影響があります。

特に中国においては、グレートファイアウォールと呼ばれる大規模なファイアウォールが存在し、中国の国内と中国の国外の間の通信はこの影響を受けて速度が遅く成る傾向があります。

hreflang属性の設定

hreflang属性は、そのページと同等の別言語のページのURLを検索エンジンに伝える役割があり、次のように書きます。

<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://www/example.com/ja/">
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://www.example.com/en/">
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://www.example.com/ja/">

そのページの言語とURLの記載と、デフォルトの言語とそのURLも記載する必要があるため、例えば日英の2言語あるサイトの場合は上記のように3つの記述が必要となり、日英中の3種類の言語があるサイトの場合は4つの記述が必要となります。

x-defaultで指定したサイトは、どの言語にも属さない国のユーザーが検索したときに表示されるページとなります。

lang属性の設定

各ページの言語を正確にGoogleに伝えるためには、上述のhreflang属性に加えて、lang属性を使って言語を定義することも重要です。これにより、検索エンジンはページ内容をより正確に理解し、適切な検索結果として表示することが可能となります。

lang属性は、htmlタグに対して次のように記述します。

<html lang="ja">

内容の翻訳とローカライゼーション

ウェブサイトの内容をそのまま翻訳するだけではなく、ターゲットとなる市場や言語に適した表現にローカライズ(地域化)することも重要です。コンテンツがローカライズされているかどうかは、検索エンジンがそのページの品質を評価する際の重要な要素となります。

また、自動翻訳システムは使うべきではありません。自動翻訳の利用は、Googleの規約で違反とされている「自動生成ページ」に値します。

地域ごとの検索エンジンを踏まえたSEO対策

日本ではGoogleのシェアが圧倒的に高いですが、中国は百度(バイドゥ)が圧倒的シェアをほこります。また、ロシアはYandexが半分程度のシェアを占めます。多くの国はGoogleが圧倒的シェアを誇りますが、国によって違うケースもあるので、検索エンジンのシェアを確認しておくことをおすすめします。韓国は2022年のデータでNaverが17%のシェアとなっています。

地域別のキーワード選定

各国・地域で、どのようなキーワードが使われているかを調査し、選定することが必要となります。選定のポイントは、検索ボリューム、競合の強さ、コンバージョンへの繋がりやすさです。

SEO、ブログにおけるターゲットキーワード選定の方法・ステップ

コンテンツ制作の重要性と効率化

コンテンツSEOは、特定のジャンルに絞り、その専門性をGoogleに伝えるような気持ちで当該ジャンルに対して網羅性あるコンテンツを蓄積していくことが重要となります。詳しくは次の記事で解説しています。

コンテンツSEOとは?オウンドメディアやコンテンツマーケティングとの違いも解説

日本語のサイトでも、英語のサイトでも、中国語のサイトでも、どの言語のサイトでも同じことです。
主に日本語のサイトにおいて、1ページだけ英語で書かれたページがある場合、同様の内容が書かれた日本語のページに比べて検索順位の評価は低くなります。英語の検索キーワードで順位を高くするならば、英語によるページが多くある必要があるからです。

しかし、日本語でさえコンテンツSEOは大変なのに、外国語によるコンテンツSEOは日本人がディレクターとなっている場合、敷居が高いと言えるでしょう。

この課題をクリアしてくれる「BringRitera(リテラ)」というツールがあります。
最新ChatGPTをベースとしたAIでSEOに強い記事を作成するツールで、最低限インプットが必要なのはターゲットキーワードのみ、あとは手順に沿って進めていくだけで10分ほどで記事が作成されます。

このツールで書かれた記事そのままのデモの例として次のものがあります。

관광객을 위한 도쿄 여행 가이드: 경험해야 할 최상의 선택

コンテンツSEOの効率化に向けて、試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

多言語サイトのSEOポイント7個をご紹介しました。

地域ごとの検索エンジンを踏まえた対策や、キーワード選定については、その地域に従業員がいるようなグローバル企業でないと現実的ではないかもしれませんが、SEO対策は費用対効果が高いので、そのような企業であればぜひ地域ごとに取り組みたいものです。

BringFlowerはグローバルな経験も豊富です。その規模の案件でもディレクションを行いますので、よろしければご相談ください。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。