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ページランクとは?調べ方・確認方法・上げる方法

ページランクってなに?SEOで重要なの?

なにそれ、おいしいの?

その疑問にお答えするとともに、ページランクの調べ方や、ページランクを上げる方法についてご紹介します。

ページランクとは?

ページランクは、Googleが検索結果順位を決めるのに用いているアルゴリズムの200以上ある要素の1つで、「0~11の11段階」でウェブページをランク付けするものです。数字が大きいほど評価が高いことを意味します。

ページランクは、自然で、関連性の高い被リンクや言及、引用が多いほど高まります(以前は被リンクのみでした)。

ページランクは以前、Googleツールバーなどで各ページのページランクスコアが確認できましたが、2016年に、その表示は廃止されました。

しかし、Googleがページランクを指標として用いなくなったわけではありません。今でも、次のように「Googleの掲げる10の事実」の中で記されています。

Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。

Google が掲げる 10 の事実

ページランクの重要性

では、どうしてページランクは公式に確認することができなくなったのでしょうか?

その理由は明らかにはされていませんが、2012年4月に初めてのペンギンアップデートが行われる以前は、Googleの規約違反となるような自作自演による被リンク対策が効きやすく蔓延していた実態があり、そのようなブラックハットと呼ばれる対策を促さないようにする、ということが1つには考えられます。

もう1つには、Googleの検索アルゴリズムの中において、ページランクの重要性が相対的に低くなっているということもあります。以前はページの評価を行うのに被リンクの多さに頼らざるを得なかったのが、2015年に初めてRankBrainと呼ばれるAIのアルゴリズムが採用され、自然言語の理解力が高まりました。その後、2019年にはBERT、2021年にはMUMと呼ばれるAIアルゴリズムが採用されています。

次の記載はGoogle公式ブログの抜粋です。

PageRank は今日でも使われていますが、現在ではより大きなシステムの一部となっています。

Google Japan Blog

Googleは、そのページがユーザーにとって役に立つのかどうか(ユーザーにとっての価値の高さ)を評価しようとしているというのは変わっていません。その評価方法が変わってきています。

被リンクが多いかどうかということに判断を頼るのではなく、ページ内に書かれている内容を正確に把握し、そのオリジナリティや専門性を評価しています。

とはいえ、現在においてもページランクは一定、サイトの評価に影響があります

ページランクの決まる仕組み

ページランクによってサイトを評価するという内容は、Googleの特許として登録されています。

Method for node ranking in a linked database

被リンク元の評価が高い方が、被リンクが張られたサイトの評価も高まるという内容になっています。被リンクを張ることを目的に作られたようなサイトから多くの被リンクが張られていると評価は高まるどころかペナルティが与えられてしまいます。

また、自サイトとの関連性が低いサイトの場合は効果が小さいです。

ページランクの調べ方・確認方法

Googleのページランクに関する特許は公開されているものですが、具体的な計算方法は分かりません。そのため、ページランクそのものを確認する方法はありませんが、ページランクの考え方で数値を示してくれるツールはいくつか存在します。

その中でも有名なのは、MozAhrefs(エイチレフス)です。

ツールによって結果が異なるので、サイト間で比べるという意味で、同一のツールを使って計測することが望ましいでしょう。

いずれも有料ツールで、多目的に指標を計測するならAhrefsがおすすめです。

Ahrefsで計測できる指標の例

Ahrefsでは、ドメインランクと、UR(URLランク)の2つがページランクに相当するものです。

ページランクを高める方法

ページランクは、「外部からの良質な被リンク」「外部からの言及(サイテーション)」「内部からのリンク」の3つが現在において関係があると考えられます。そのことを踏まえて、ページランクを高める方法を3つご紹介します。

ユーザーにとって価値の高いコンテンツ作り

ユーザーにとって価値の高いコンテンツを作ること。地道でもありながら、これが一番の近道かもしれません。

最初は、リンクなんて張られるのだろうかと思うかもしれませんが、実際に価値の高いコンテンツはリンクが張られます。SNSで紹介されることもあります。そうなるとまた認知度は高まり、被リンクは増えますし、サイテーションも増えます。

コンテンツは残り続けますので、定期的なリライトは前提ですが、効果は持続していきます。

SNSでの発信

SNSでユーザーの関心を集める発信を続ければフォロワーは増え、そこからのサイトへの流入が期待できます。

内部リンクの適切な構築

評価を高めたいページには、内部リンクを集めるようにします。

例えばカテゴリーページは、パンくずリストによって各記事からリンクが張られるので、評価が高まりやすい傾向にあります。文中からの内部リンクも適切に張るように意識しましょう。

ページランクを踏まえたSEO戦略

次の表は、「クレジットカード おすすめ」で上位10ページを計測してみた結果です。

検索順位ドメインランクUR
1627
2476
38217
48338
5788
65119
7672.7
8371.9
9617
10311.6

次の表は、「クレジットカード おすすめ 学生」の上位10ページの結果です。

検索順位ドメインランクUR
12.80
2509
3623.6
4616
5580.7
6190.7
7391.6
8250.9
9686
10643.1

クレジットカードというのは、上位に表示されたときに売り上げに繋がりやすいので、上位獲得を狙う企業も多く、かなり難易度が高いキーワードです。その中でも「クレジットカード おすすめ」は月間検索ボリュームが16.5万と非常に多く、ビッグキーワードでとりわけ難易度が高いものとなります。

「クレジットカード おすすめ 学生」は月間検索ボリュームが1,900件ぐらいでミドルキーワードとなります。

ここで示した結果のように、ビッグキーワードの場合、ページランクが高くないと上位に表示されない傾向が強くあります。ミドルキーワードになると、ページランクが高くなくても上位に表示されるケースが出てきます。

ページランクはサイトを立ち上げてすぐには高めるのが難しいので、最初は検索ボリュームが小さく、競合が強くないところから狙っていくのが常套手段です。

ビッグキーワードを狙う場合は、ページランクを高めていくことが必要となります。

ページランクの今後について

ページランクが評価指標として残っている意味は、コンテンツのユーザーにとっての価値を測る指標ではなく、サイト所有者の信頼性の評価だと思われます。

他に良い方法が現時点で思い浮かばないので、一定残り続けるものと考えますが、自然言語処理能力の向上とともに、被リンクよりもサイテーションの比重が高まっており、今後その比重はさらにサイテーションに寄っていくことも考えられます。

いずれにせよ、知名度、SNSやメディアでの露出といったところは、ビッグキーワードを狙うには必須なのかもしれません。

まとめ

ページランクとは何かと、その対策についてご紹介しました。知名度が高いわけでもない個人の方などは、できるだけテーマを絞って、ロングテールキーワード戦略を練っていきましょう。

冒頭でお答えすると宣言した「ページランク?なにそれ、おいしいの?」という疑問に回答してませんでした。述べた通り、ページランクばかり意識した対策は、おいしくはなく、まずいことになり得ます。

ユーザーにとって有益で価値のあるコンテンツを積み上げていく、ということが重要であり、結果的に一番の近道だと考えます。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。