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SERPs(サープス)とは?表示される要素と構成を知ってSEO対策を考えよう

SEO対策は、主に検索結果画面で上位に表示させることを目的にしますが、表示のされ方によってクリック率が変わってきますので、検索結果画面の表示のされ方についても、SEO対策を考える方は知っておくことが望ましいです。

その検索結果画面のことをSERPs(サープス)と呼びます。この記事では、SERPsの概略をご説明したうえで、GoogleのSERPsにおいて表示される要素、構成、SEO対策のポイントを解説します。

SERPsとは?

SERPs(サープス)は「Search Engine Results Pages」の略で、検索結果画面のことです。具体的には、検索キーワードを入力し、検索ボタンを押したときに表示される画面です。

次の画面キャプチャの例は「スクリーンリーダー」で検索したときのSERPsの例です。どうしてこの例にしたかというと、ナレッジグラフと呼ばれるところに採用されている画像にBringFlowerの記事のアイキャッチ画像が表示されているからです。ナレッジグラフがどれのことかは後述します。

PC・Googleで「スクリーンリーダー」で検索したときのSERPs
スマートフォン・Googleで「スクリーンリーダー」で検索したときのSERPs

SEOとSERPsの関係

SERPsにおいては、検索意図に合致したウェブページへのリンクが上から順に並びます。ほとんどのユーザーは、ひとまず上から順番に見ていくという行動を取るでしょう。

SEO Clarity社が2021年に検索順位別のクリック率を国別に紹介しています。

参照:2021 CTR Research Study

順位アメリカイギリスカナダインド日本
19.13%10.48%11.30%14.88%13.94%
25.07%6.05%5.93%8.22%7.52%
33.60%4.49%4.29%4.79%4.68%
42.61%3.15%3.31%3.10%3.91%
51.95%2.54%2.64%2.09%2.98%
61.46%1.96%1.95%1.52%2.42%
71.10%1.55%1.50%1.10%2.06%
80.93%1.32%1.27%0.95%1.78%
90.75%1.10%1.03%0.77%1.46%
100.66%0.98%0.95%0.70%1.32%
110.63%0.91%0.89%0.57%1.03%
120.58%0.74%0.86%0.50%1.00%
130.43%0.59%0.61%0.36%1.07%
140.44%0.64%0.64%0.41%1.34%
150.45%0.73%0.77%0.45%1.65%
160.53%0.90%0.92%0.63%2.19%
170.60%1.07%1.10%0.83%2.54%
180.75%1.29%1.25%1.14%2.83%
190.88%1.36%1.34%1.27%2.91%
200.93%1.47%1.39%1.34%2.85%

この当時、1ページに10サイト表示されていましたので、11位からが2ページ目です。

次のグラフは上の表の日本のデータをグラフ化したものです。

10位と11位の差を見ると、1ページ目と2ページ目の差があまりないということが分かります。それよりも、1位と2位、2位と3位、3位と4位、4位と5位、といったところの差が大きく、数字を見ると少なくとも3位以内は目指したいというところになってきます。

また、2ページ目になると15位くらいのページの中間に表示されるサイトよりも、20位という、ページの下部に表示されるページの方がクリックされていることなどが読み取れます(※)。

そのこともあってか、最近は順位によりページを分けるのではなく、徐々に多く読み込んでいくという形式が取られていることもあります。このあたり、Googleは日によって変えています。

つまるところ、SEOの主眼はSERPsにおいてできるだけ上位に表示されるようにするというところになるのですが、表示順序だけではなく、表示のされ方にも着目すると、色々と検索順位以外にも検討の余地が見えてきます。

GoogleのSERPsにおける表示要素

GoogleのSERPsは、当初は通常の10個の青いリンクのみでしたが、徐々に表示する内容を広げてきていて、現在なおそれは進行中です。

GoogleによるSERPsの説明では、次の図のように「テキスト検索結果」「リッチリザルト」「画像検索結果」「動画検索結果」「探索機能」の6つに分けてそれぞれの説明がされています。

しかし現在、実際はそれよりも複雑化していますので、この記事では12個の要素に分けてご説明をします。

リスティング広告

SERPsには広告表示枠があり、1位のウェブページよりも上部に表示されます。これをリスティング広告と呼びます。リスティング広告はクリック単価となっており、ユーザーにクリックされると広告主に対して料金が課される仕組みです。

事業者はその料金をGoogleに支払うことで、ここに広告を表示することができます。

Googleの売り上げの8割以上は広告収入が占めています。広告には「スポンサー」などと、広告であることが分かる表記がされますので、広告枠のクリック率は先にご紹介した通常の検索結果で1位の場合のクリック率よりもかなり低いです。それでも広告に出す効果があるから事業者は広告を出すわけなので、そのぐらい、GoogleのSERPsの上部に表示される効果は大きいということが言えるでしょう。

広告枠は背景色を変えるなどすれば、より広告であることが分かりやすくなるわけですが、現在は小さく「スポンサー」と表記されるだけになっており、以前に比べて広告と通常の検索結果との差異が見た目で分かりづらくなりました。そのような部分もその時によって変わります。

アンサーボックス(ダイレクトアンサー)

アンサーボックスはダイレクトアンサーとも呼ばれ、通常の検索結果とは別に、SERPsの上部に検索クエリに対する端的な回答に値する文章が表示されます。

アンサーボックスは4種類あります。

通常のアンサーボックス

「BringFlowerの電話番号」と検索すると出てくる電話番号や「大谷翔平」と検索して出てくる写真が通常のアンサーボックスです。これをアンサーボックスとして、これから紹介するものは別の種類とする定義もあります。

強調スニペット

例えば「UX」と検索したときに、UXとは何かという説明が書かれているウェブページが1位に表示されるとともに、そのウェブページの中の該当箇所の抜粋文が次のように表示されます。これはアンサーボックスの1つで、強調スニペットと呼ばれます。

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは?について書かれた抜粋文

ユーザーの検索意図が明快かつ、それに応える内容が端的である場合に、その内容を最短距離で示し、ユーザの利便性を高めるというGoogleの考え方が表れていると言えます。

次の強調スニペットは当サイトのページが表示されたときのものです。このように、抜粋文ではなく見出しが抽出されて示されることもあります。

ライブリザルト

天気情報など、その時点の情報を示すものをライブリザルトと呼びます。

ナレッジパネル

ナレッジパネルは、画面右側に表示される部分で、検索クエリに対しての概要となるような情報が示されます。

SGE(Search Generative Experience)

SGE(Search Generative Experience)は、アンサーボックスと位置づけとしては似ていて、その内容が単なるひとつのウェブページの抜粋文ではなく、複数のウェブページの内容をもとにAIが回答文を作成して示すというものです。

次の例は、先ほどお示ししたのと同様に「UX」で検索したときのSGEの表示例です。アンサーボックスよりさらに上部に表示されています。

SGEはまだ試験中の段階ですが、試験は2024年2月までとされており、近いうちに実際に採用される可能性が高いです。ただし、あくまで試験中なので内容や示され方などは変更になる可能性が高いと言えます。

上の例だと似たような内容が立て続けに上部に並ぶ形となり、個人的にはSERPsが煩雑に感じますしね。アンサーボックスの他、この後ご紹介する「関連する質問」なども機能として被るので、統合されていく予感はします。よって、SERPsの表示を考える上で、現時点では視野から外せないのが、このSGEです

SGEについては以下の記事で詳細な解説をしています。

GoogleのSGEとは?SEOは終わるのか?今後のSEOとSGE対策について

ユニバーサル検索

ユニバーサル検索は、通常の10個の青いリンク以外に、ECサイトの商品ページや、ニュースサイトのページなどを表示する部分のことを指しています。

次の例は、「一眼レフ」と検索した例で、ブランド別に絞り込むという表示や、口コミの結果と一緒に楽天やamazonの商品ページへのリンクが表示されています。

表示される位置は決まっておらず、上部に表示される場合もありますし、この例では8位の下に表示されました。

パーソナライズド検索

Googleは、検索する人に合わせて検索結果を変えます。この機能をパーソナライズド検索と呼びます。2005年6月から始まり、2009年12月に定着した機能となります。

具体的には、以下のような情報をもとに提示する情報を変えています。

  • 検索した人の所在地
  • 検索履歴(過去の検索キーワード)
  • サイトの閲覧履歴(どのようなサイトに興味を持っているか)
  • SNSのつながり

例えばGoogleで「ラーメン」と検索してみてください。ご自分がいる場所の近くのラーメン店に関する情報が上位に表示されるはずです。これは、スマートフォンではなくPCで検索しても同じです。所在地情報はGPSの方がより正確に把握できますが、インターネットの回線情報でも大体の位置は把握できるからです。

極力、人による差を抜きにした結果を知りたい場合は、ブラウザのシークレットモードを利用するようにしましょう。シークレットモードでも所在地は把握され、それを踏まえた結果が表示されますが、検索履歴や閲覧履歴は把握されない仕組みになっているので、影響を受けません。

バーティカル検索

Googleでは2001年から画像検索の機能が登場しました。今では、「画像」の他に「動画」「ショッピング」「地図」「書籍」「ニュース」などが検索窓の下に並びます。この部分のことをバーティカル検索と呼び、デフォルトでは一番左の「すべて」が選ばれた状態の結果が表示されますが、その次以降のバーティカル検索の並び順は検索クエリによって変わるようになってます。

例えば検索クエリが「パスタ」なら「地図」「ショッピング」「画像」の順に並ぶのが、「パスタ レシピ」だと「画像」「動画」「ショッピング」の順になります。

「パスタ」なら「パスタを食べたい」と思っている人が多いので地図が、「パスタ レシピ」なら「美味しいパスタの作り方を知りたい」と思っている人が多いので画像や動画が先に出てくるということです。

よって、バーティカル検索の並び順を見ると、その検索クエリでGoogleが解釈している検索意図の種類が読み取れます。

リッチスニペット

リッチスニペットは、通常の検索結果である青いリンクの近くに表示されるそのウェブページに関連する情報のことです。表示方法としては、主に構造化マークアップを施すことで表示されるものが多いです。

リッチスニペットには様々な種類があり、その中でも目立ちやすいものとしては以下があります。

  • 画像
  • 動画
  • 商品レビュー(★の数が示される)
  • ハウツー
  • FAQ(よくある質問)

FAQは次のように、アコーディオンメニューの形で示され、ジャンルに問わず実装しやすかったので良く活用されてきたのですが、2023年8月、GoogleはFAQのリッチリザルトに関して、政府や保健機関などの特に信頼できるサイトに限定して示すという方針に変更になり、表示されなくなってしまいました。

同時に、ハウツーはPC画面でのみ表示される形に変更になりました。

目立つかどうかは別として、基本的なものとしておさえておきたいのは以下のリッチスニペットです。

  • サイト名
  • パンくずリスト

上のページと同じページで現在表示されているのは次のような状態です。サイト名とパンくずリストが表示されていますが、これは構造化マークアップにより表示されます。

写真は表示されたり、されなかったりを繰り返しますし、構造化マークアップともあまり関係なく、Googleが選定する傾向です。

他の人はこちらも検索

例えば「京都」と検索すると、次のように「京都府」「大阪市」「東京都」「伏見稲荷大社」というリンクが「他の人はこちらも検索」というタイトルと一緒に示されます。

これを見るに、外国人観光客の検索結果が反映されているのでしょうか。

表示される位置は決まってません。上部に表示される場合もあれば、中段だったり、右側のサイドだったりします。

関連する質問

「京都」と検索したら、「他の人はこちらも検索」とは別に「関連する質問」として、「京都に行ったら絶対行くべき場所は?」などが表示されます。

どこに行く?

「京都」と検索したら、「どこに行く?」というタイトルと共にスポット名を検索するためのリンクが示されます。

Googleショッピング

「掃除機」などと検索すれば、直接商品ページにアクセスできるページへのリンクがまとまって表示されます。これはGoogleショッピングの機能となります。

Googleしごと検索

「エンジニア 転職」などと検索すれば、求人情報へのリンクがまとまって表示されます。

その他

他にも、例えばTwitterのつぶやきが表示されるなど、一時的にそれまで表示されてなかったものが表示されることがあります。

Googleはユーザーにとって有益な情報が何かと、それを示したときのユーザーの行動を日々テストし研究しているものと思わます。

SERPsで目立つためには?

以上、様々な種類のものをご紹介しましたが、これらをうまく活用しSERPsで目立つには、次の2点が大切となります。

  • HTMLと構造化マークアップを適切に用いる
  • 検索上位を獲得する

検索上位を獲得しないことには、強調スニペットなどは表示されません。そのため、SEO対策の初期にあまりSERPsを意識しすぎても費用対効果が悪いので、まずは意識の重点は検索上位を獲得するというところに最初は置いた方が良いと言えます。

検索上位を獲得したのち、2位なのに3位の方が目立っているとか、そういうことがあれば対策を考える効果は高いと言えます。

まとめ

SERPsは進化を続け、SGEの登場でまた大きく変わろうとしています。

BringFlowerと一緒にSERPsにも適合させていきませんか?

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。