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YMYLのジャンルにおけるSEOの考え方と6つのポイント

医療、健康関連などのYMYL領域におけるSEO対策は、他の領域と比べてGoogleの扱いが異なります。
具体的にはどのようなジャンルが対象となり、どういったことを気を付けて、どうすれば上位に表示させられるのか、ポイントを解説いたします。

YMYLとは?

YMYLは「Your Money or Your Life」の頭文字を取った略語で、Googleの検索品質評価ガイドラインに記載されてるSEOの考え方の一つです。

人の健康、経済的安定、安全、公共に対して重大な影響を与える可能性のあるトピックがYMYLのジャンルとなります。例えばエンターテイメントやスポーツなどはYMYLジャンルとはなりづらい部類です。YMYL領域のトピックに関しては、信頼できない情報をユーザーに提供するのは危ないというGoogleの考え方に基づき、検索順位が評価されます。

明らかにYMYLジャンルとなるトピックの例

ガイドライン中に記載されている明らかなYMYLジャンルの例として、以下のようなものがあります。

  • 津波のルート
  • 緊急避難ルート
  • 人種による能力の違いに関する個人的な意見
  • 危険な事件に関するニュース
  • 薬の購入

YMYLジャンルになり得るトピックの例

ガイドライン中に記載されているYMYLジャンルになり得るトピックの例として、以下のようなものがあります。

  • 天気予報
  • 歯ブラシはどの程度の間隔で変えるべきか
  • どのような運動を行うべきか
  • 交通事故の情報
  • 自動車に関するレビュー記事

日本においてよく話題になるYMYLジャンル

日本においてよく話題になるYMYLジャンルは次の3つあります。

  1. 健康関連の記事
  2. 投資関連の記事
  3. 治療を謳うサービス(整体、鍼、カウンセリングなど)

もちろん、病院のサイトや銀行のサイトなどもYMYLジャンルで、YMYLジャンルであるからクリアしなければならないことをクリアするべきサイトに当たります。
ただ、やぶ医者や闇金融でもない限り、当たり前のことを当たり前のようにやっておけば、問題ないという側面があります。

一方で、個人の方や、サイト所有者が医師免許を持たないようなケースで、上記に挙げた3つのトピックの記事を書くには、YMYLジャンルだから難しいということを意識する必要性が高いと言えます。例えば個人の方で、健康関連の記事を書いて、そこからサプリメントでアフィリエイト、などということを考える人もいるため、記事内容の信頼性が重視されます。

YMYLの考え方が導入された背景と経緯

YMYLの考え方は、先述の「検索品質評価ガイドライン」の中で示されており、Googleがこれを公開したのが2015年なので、その時に初めて明らかになりました。

YMYLジャンルは人が特に気にする類の情報なので、検索する人も多く、アフィリエイターのネタになりやすいという側面があります。検索意図にさえ合致してそれっぽい内容であれば上位に表示されてしまうという実態が以前はありました。

その後、2017年12月に日本国内において医療・健康アップデートと呼ばれるアップデートが行われ、日本国内の多くのアフィリエイターのブログが上位から姿を消しました。WELQというサイトが根拠が曖昧な医療関連の情報を発信していたため、日本が最初の適用先だったと言われています。

2018年8月には、世界規模でアルゴリズムのアップデートがあり、より厳格に、適切にYMYLジャンルのページが評価がされるようになりました。

現在においても、YMYLという観点でのアルゴリズムの進化は続いていると思われます。

YMYLとE-E-A-Tの関係

Googleは検索品質評価ガイドラインの中で、YMYLよりも大きな見出しでE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)という評価軸を示しています。

YMYLはE-E-A-Tと同じ軸にあり、E-E-A-Tで検索順位が決まりやすいジャンルである、という関係性になっています。

YMYLジャンルで検索上位を獲得するためのポイント6つ

以下にYMYLジャンルで検索上位を獲得するためのポイントをお示しします。考え方はE-E-A-Tの軸に沿ったものなので見出しレベルではE-E-A-Tの記事に書いてあることと変わらないですが、YMYLジャンルを例にした話を紹介します。

組織、属する人、記事を書いた人をまとまったページと個別のページそれぞれで明示する

組織情報と、そこに所属する人、それぞれまとまったページを用意して、詳細に記述します。

URLの名称は基本的にはSEOに関係ありませんが、この部分だけはGoogleに伝わりやすいように、「about」「about-us」「company」「trainer」など、それらしい名称にしておく方が良いだろうと考えています。もちろんそれ以前に、ページのタイトルは「会社概要」など分かりやすくする必要はあります。

例えば治療院であれば、治療院名、所在地、連絡先、治療をする人、それらをきちんと明示します。

また、各記事にはそれぞれ書いた人のプロフィールを載せておくに越したことはありません。

顔写真も載せた方が良いだろうと考えています。

例えば私の名で検索すると私の顔写真が検索結果画面の上の方に表示されるように、Googleはその名前が誰なのか、どういう顔なのかまで把握している(把握しようとしている)という風に考えた方が良いでしょう。私は一時期、プロフィールに似顔絵を載せていたのですが、検索したときに表示される画像は似顔絵ではなく、若い頃の写真含め、リアルな顔写真しか表示されませんでした。つまり、似顔絵よりも実際の顔をあえて選ぶということをしているわけであって、Googleは本物の顔を見極めようとしています。

顔を示すというのは、Googleに対してだけではなくユーザーにも安心を感じてもらうことに繋がります。

組織情報や著者情報は構造化マークアップで示す方法もあるので、それも行います。

執筆者自身が資格など持っていないケースもあるでしょう。そういう場合は監修者を設けて、その監修者を明示するというやり方があります。もちろん、監修者は責任をもって内容の正しさをチェックする必要があります。間違った内容が多く掲載されていれば、その時点で評価は高まらないでしょう。

所有する資格や表彰、執筆書籍などを示す

例えば鍼灸師であれば、「はり師」と「きゅう師」という資格が必要ですが、そういった資格を持っていることをきちんと明示します。資格番号なども、示せるものがあれば書いておく方が良いです。

例えばパーソナルジムのトレーナーが、コンクールで入賞歴があればそれも書いておくべきです。

資格と表彰は構造化マークアップでも示せます。

ノウハウを具体的に示す

パーソナルジムであれば「筋トレ」「ダイエット」などのカテゴリーを作り、「筋トレ」であれば部位ごとにページを分けて記事を書いていくといったことをします。

医者であれば、対処する治療内容、治療方法や、症例などをできるだけ多く、細かく記載します。

理解を助ける写真も重要です。フリー素材などではなく、オリジナルの画像をできるだけ揃えて使います。

あくまでも、自分の専門性に関係のある内容に絞ることが重要です。関係のない内容、ユーザーにとって価値の低いページはサイト全体の評価を下げるリスクがありますので、例えばお知らせのページが多くなってしまうような場合は、その類のページを一式noindexにします。

根拠を示す

提示する情報の根拠を示します。オリジナルのデータを持っていれば、それを示すのでも良いですし、引用すべき情報があれば、それを引用して引用先をリンクを張って示します。

引用する際、そのサイトのサイトポリシーなどでルールは確認するようにしましょう。

外部からの良い評判を得る

権威性も評価されます。例えば学会で発表していれば、その学会のサイトにリンクを張るということはした方が良いですし、外部のサイトからリンクが張られていると評価が高まります。リンクを張られなくても、言及されるだけでも効果があります。そのことをサイテーションと言います。

だからと言って自作自演で被リンクを増やすという業者が存在しますが、Googleの規約違反でペナルティを受けるリスクもあり、絶対に手を出さないでください。

SNSでの発信、紹介サイトへの掲載打診など、自然な被リンクやサイテーションを増やすためにコツコツとやれることはありますので、そういった類のことは行っていくことが望ましいです。

できる限り最新の情報に更新をして、コンテンツの更新日を示す

その情報がいつ時点のものなのかが分からないと信頼性に欠けますので、更新日を明示するようにしましょう。内容が古くなれば、その情報の価値は下がり、Googleからの評価も下がりますので、最新である必要のあるコンテンツはできる限り最新情報に更新をします。

まとめ

BringFlowerは、弁護士などYMYL領域でもすでに上位獲得事例が多数あります。何故なら王道で間違いのないやり方で、高いノウハウを持ってできる限りのことはするからです。

様々な対策を行うため、どれがどのくらい効いているのか、正直もはや分かりません・・

YMYLジャンルの方からのご相談、お待ちしています。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。