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WHOIS(フーイズ)とは?SEOとの関係/効果も解説

ウェブサイトを持つということは、ドメインを持ちます。
ドメインを持つということは、WHOIS(フーイズ)というものが関わります。
そして、WHOIS(フーイズ)とSEOとの関係について、業界で語られてきている経緯があるのですが、結論、通常のサイト運営をしている限りはあまり気にしなくて大丈夫のはずです。
とはいえ、言い切れない部分もあります。
具体的に解説いたします。

WHOIS(フーイズ)とは?

WHOISという名称は、英語の「who is it?」の意味からきていて、ドメイン、IPアドレスの登録者が誰なのか、公にするべきだという考えからできています。

何かしらトラブルがあったときに、誰に連絡すればよいか全くわからないのでは困る、というのが理由です。

そのため、ICANNという組織によって、ドメイン取得時にWHOISに情報を提供することが義務付けられています。

しかし、現在において、ホームページを所有している人の多くはWHOISを意識したことがないでしょう。個人で気軽にブログで発信したり、ホームページをご自分で作ったりといったことがされている現状、そのような方がWHOISまで意識するというのは敷居が高いということが一つと、氏名はまだしも、住所や連絡先まで明かすのに抵抗がある人が多いということ、さらにはWHOISが公開されているとそれをもとに営業の電話などをする人がいる、ということなどがあるため、大手レンタルサーバーは、自社情報を代理で公開するサービスを行っています。デフォルトの設定がそうなっているため、利用者は意識もせずそのままの方が多いという状況です。

代理公開の状態でも、何かトラブルがあればレンタルサーバーの運営会社に連絡がいき、レンタルサーバー会社はそのドメインの契約者に連絡ができるので、それでもWHOISの目的は果たされるわけです。

WHOISの歴史

WHOISは、1982年に最初に提案されたプロトコルです。当初は、ARPANET(現在のインターネットの前身)の管理下にあったインターネットリソースの所有権を確認するために開発されました。

最初のWHOISサーバーは、1982年にスタンフォード大学で運用されていました。その後、他のWHOISサーバーがインターネット上に登場し、ドメイン名やIPアドレスの所有者情報を提供するための主要なプロトコルとなりました。

WHOISは、インターネットの成長に伴い、登録されたドメイン名やIPアドレスの数が急速に増加したため、より多くの情報を提供するように進化しました。今日、WHOISは、インターネット上の重要なリソースの管理と保護に不可欠なツールとなっています。

日本におけるWHOISの管理者

日本におけるWHOISの管理者は、JPRS(日本レジストリサービス株式会社)です。JPRSは、.jpドメイン名を含む日本の国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)のレジストリとして、ドメイン名の登録、管理、運用を行っています。

JPRSは、WHOISサービスを提供しており、インターネット上の. jpドメイン名に関する情報を提供しています。. jpドメイン名の登録者情報のプライバシー保護にも取り組んでおり、登録者が公開する情報の範囲や方法に関する規制を設けています。

次のページでJPRSがWHOISについて解説しています。

Whoisとは

WHOISはSEOに影響があるか?

Googleは、ドメイン所有者が変われば、ドメインの履歴をリセットするということを明言しています。ドメインというのは中古で売買がされています。ドメインパワーが備わった状態のドメインを購入して、そこからコンテンツを積み上げようとする人がいて、それがGoogleに見抜かれれば、ドメインパワーは落とされるというわけです。

ではGoogleは何で見抜くかという点において、WHOISを見ているのではないか?という憶測が古くから飛び交っています。WHOISの情報が変わったら順位が下がった、という報告をしている人も過去にいます。

一方で、その報告に否定的な人の方が多くいます。WHOISの情報が変わったところで、順位に影響はなかったという報告も多いです。

私の見解としては、実際にドメイン所有者が変わってなければ問題ないはずです。Googleが何を見ているかはさておき、精度よくドメイン所有者が実際に変わったかどうかを見ているはずです。

理由は、まず理屈としてそうであるべきからであって、Googleはあるべき姿を目指すはずだと思うことがあります。
また根拠の一つとして、私自身が、WHOISを代理公開の状態から自分自身の情報に変えたところ、順位変動がなかったということがあります。正確に言うと、当サイトは順調に成長しているので、その順調な成長の状態が続いています。

2023年3月に行われたGoogleコアアルゴリズムアップデートでは、ドメインパワーの大きいドメインのサブディレクトリを他事業者から借りて運営しているページ群の順位が落ちたケースが多発しています。

それもまた、Googleがドメイン所有者の違いを見抜いたということの表れでしょう。

何を見ているかというと、次のようなことが考えられます。

  • コンテンツの内容が変わったかどうか
  • 更新者のIPアドレス
  • WHOIS

挙げた通りWHOISも見ているかもしれませんが、要素の一つに過ぎず、実際にドメイン所有者が変わってなければ、変わってないということをGoogleは判断してくれるだろうと思うわけです。

WHOISはきちんと登録すべきか?

ホームページ上で連絡先を公開している人は、WHOISでもそれと同じ情報を、E-E-A-Tをアピールする観点の一つとして、きちんと登録しておくのが無難だと考えます。私はそう思って登録しました。

以前はWHOISに登録すると、営業の電話やメールがくるという報告もありましたが、今は、WHOISに登録したからくるということは心配ないと言えます。

何故かというと、そういう連絡はホームページ上に公開されている時点でやってくるからです。

以前は、WHOISなら簡単に情報が取れるからということで、それを狙ったスパムが多かったのが、今はホームページ上の情報をロボットで抽出する技術が優れてしまっているため、そちらで狙われるという形になっています。当方の場合、WHOISに登録してもスパムの量は変わらなかったです。

一方で、WHOISに登録したから検索順位が上がるということも期待はできないと思いますが、一応できることはすべてやっておく方が無難であるし、デメリットはないということです。

まとめ

みなさん、このようにWHOISのことまで考えてくれる制作会社を探しましょうね。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。